第17章 GW
ー穂波sideー
あれからリエーフくんは
特に変わらない。
ただ、抱き抱えたり、キスをされないだけで
話す調子は相変わらずだし、それがそのまま彼なんだと思う。
そういうのは心地いい。
一度、朝、玄関に向かうときに
朝練帰りのみんなに会って、
そのときに犬岡くんと芝山くんに挨拶することができた。
確かに性格の違う、でもどちらもとてもかわいい犬っぽい感じ。
ちょっとしたときに校内で出会すと
「穂波さん、こんにちは!」
とか言ってくれて、かわいいったらない。
弟みたいでとてもかわいいけど、
2人とも家では一番上のお兄ちゃんだそうで、
確かになるほど、しっかりした感じもすごく感じる。
「穂波は連休どこか行くの?アキくんとこ?」
4月18日、水曜日。
新1年生の空気にも慣れて、
昼休み中庭で過ごすこともまた増えてきた。
春の陽気がきもちいい。
『ううん、宮城のおばあちゃんとこに行く』
「あ、そっか。いいね、遊児だ」
『うん、遊び人の茶道家にお茶点ててもらってくる』
「…ふ 笑」
『…でも、遊児もきっといま部活いそがしいよね?インターハイだっけ?』
「あぁ、そうだね。そうだろうね」
『だから、基本ゆっくりおばあちゃんと過ごしたり、サーフィン行ったりって感じかなぁ…
田植えのお手伝いもあるかも。 …研磨くんは合宿とかあるの?』
「ううん、ないよ。練習試合とかは入ってくるかもしれないけど」
『そっか。 …マネージャー入りそう?』
「ううん、全然気配ない …アキくん今どこにいるの?」
研磨くんがお兄ちゃんのこと気にしてくれるのがじわじわ嬉しい。