第16章 獅子
『ひゃああーーー降ろしてリエーフくん!』
「次にあったら抱きしめるって決めてた!」
『これは抱きしめるじゃないよ、これは持ち上げる』
「あ、そっか。じゃあこうだ」
リエーフくんの長い腕の分だけ離れていた距離が縮まり、
腰で支えるようにして抱き抱えられる。
「これなら、抱きしめれてる?」
背の高いリエーフくんの腰の位置までお尻を持ち上げられてるから
リエーフくんに見上げられる形になる。
………///
『もーいいから降ろしてリエーフくん!』
肩をポカポカと叩き足をジタバタさせて抵抗する
「…わぁ、ちょっと危ない、穂波ちゃん!」
バランスを崩して落ちそうになったわたしを
慌てて支えてくれたリエーフくん。
その腕はわたしの膝の下に入り込んでいる。
脚を広げて跨るようにリエーフくんに抱えられてる…
『やだ、ちょっとーーー!』
ばたばたと脚を揺らしてまたバランスを崩して落ちてしまおうとしたけど
この姿勢はダメだった。
腰が揺れて、…擦れてしまう。
『もー、ほんとにおろして!…スカートまくれちゃってる』
「大丈夫です。パンツは俺の手で隠してます」
『ばか!そういうことじゃない!お願い、降ろして』
「…え、でもこうしてたいです俺は」
『だめです! …わたしこんなキャラじゃないのに』
「なんですかキャラって」
『わかんないけど、こんなギャーギャー言ったの初めて…』
「かわいいです」
『…もうお願いだから降ろして』
「いやです」
…ビンタの一発でもいれたらいいのかな。
でも、それって私がちゃんと伝えた後でもこの調子だったらすることな気がする…
わたしのせいで誤解させたままだし、なんか、今じゃないような…
「…ちょっと、リエーフ」
研磨くんの声。
あぁもう意味わかんない。
「降ろしてって言ってる」