第16章 獅子
ー研磨sideー
「1年3組 灰羽リエーフです!」
部活に新しい1年が来た。
初心者だって
…銀色の髪の毛、翡翠色の瞳。
いやこの人じゃん……
よりによってなんでバレー部に…
でも音駒はレシーブありきのチームだから
初心者だし、最初はほぼレシーブ練習だろ
夜久くんとクロが教える感じで。
きっとおれとはそんな接点はないはず
それにしても、この人ほんとなんていうか…
…素直すぎるくらい素直なのが一瞬でわかるんだけど
明日、必要なら一緒に行くっていったけど
ちょっとこの人にわざわざ会いに行くのめんどくさ………
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「猛虎さん、2年何組ですか?」
練習が終わって、部室に向かう道すがらリエーフが虎に話しかけてる。
懐っこいというか、肝が座ってるというか…
なんか変なやつ
虎「ぁん?1組だけど、それがなんだってんだよ」
灰羽「あーそうですかー 福永さんは何組ですかー?」
福永「2組」
灰羽「2組ですかー そっスかー」
虎「ぉい、てめー俺の質問に答えろ!」
灰羽「俺、運命の人に出会ったんですよ!学校初日の玄関で!」
夜久「…運命って」
海「2年生なのか?」
灰羽「そうなんすよー! でもその子彼氏がいるらしくって、で、その彼氏が2年3組らしいんス」
クロ「…」
研磨「…」
クロ「…その運命の子は何組なのぉ?」
研磨「…」
灰羽「同じ3組です!」
「…………」
虎「それって、おま、ちょっ、研磨」
灰羽「へ?研磨さんがどうしたんですか? あ、研磨さんはなんく…」
クロ「名前わかるの?その子の」
灰羽「え、あ、はい! 穂波ちゃんです! 運天穂波ちゃん」
「…………」
夜久「はぁ? なんで穂波ちゃんがお前の運命の人になるんだよ」
灰羽「あ!夜久さんも穂波ちゃんのこと知ってるんですね!かわいいっすよねー!」
夜久「知ってるも何も… つーかバレー部2、3年はみんな知ってるっつーの」
灰羽「あ、そうなんすねー どういう関係ですか?」
福永「ペアストレッチする関係」
(福永、会話に入ってきた!)
夜久「一緒に料理した関係」
クロ「抱き合った関係」
研磨「…クロ、語弊」