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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第16章 獅子


ー研磨sideー





「…はぁ………」

『………』

「ごめん、話してるうちにイライラした」

『………』

「穂波は突拍子もないことしたりするし、
たまに危ういこともあるけど、
穂波がその1年のキスに応えただなんて思ってない。疑ってもない。
それ以上したとか全然、全然思ってない」

『………』

「ていうか、キスしたっていうか、キスされた、だよね」

『………』

「…さっきまで気付いてもいなかったんだし」

『………』

「…穂波?」

『ごめんね。でも、ありがとう』

「…穂波、おれ穂波とキスするのすき」

『…ん』

「だからキスは大事。 
…でも、その1年とのキスは、おれにとってはキスくらいどうってことない、ってやつ。
イライラしていろいろ言っちゃったけど、多分これがほんと」
 
『………』

「穂波はそんな風に思えない立場かもだけど、
キスされた側だし、気持ちが移っちゃったわけじゃないんだったら、
そんなに罪悪感持たなくていいと思う」

『………』

「笑っててほしいし」

『………』

「…で、ここからが大事なんだけど」






多分おれのイライラの大元はここにある。






「向こうは、穂波に拒否されてないって思ってるよね、きっと」

『…あ』

「運命って、そいつはそういう意味で言ってるでしょ。
穂波は遅刻同盟とかよくわかんないこと言ってたけど、絶対誤解生じてるから」

『…あぁ………』

「もう昼休み終わるし、月曜は穂波、放課後レッスンにすぐ行くし。だから、今日はもういいから、明日。
早めに誤解解いた方がいい。その誤解が穂波の不本意なものなら」

『うん』

「必要ならおれもいくし、1人で行くならそれでいい」

『…ん』

「イライラしてごめん」

『ううん、それは正しい反応だと思う。
研磨くんが謝る必要なんて一つもない。本当にごめんなさい。
そんな中、自分でイライラを収めて、こんな的確な指示まで出してくれる。
すごいね。すごいね。わたし研磨くんのことが馬鹿みたいに好き。ありがとう。』

「…ん」

『それからやっぱり、ごめんね。気をつける』

「…ふ 笑 多分、気をつけようがないことなんだよ、それが穂波だから」




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