第16章 獅子
『…うんめいとは』
うんめい… うんめい… あぁ、運命か
・新学年の初日に遅刻
・同じタイミングで校舎に足を踏み入れた
…仲良くなれそうってこと?遅刻同盟的な?
「1年3組、灰羽リエーフ!」
『…はいば …どんな字書くの?』
「灰色の羽って書く」
『うわぁ…綺麗な名字だね。 ぇっと、リエーフくん?』
「リエーフでいいっス! 2年生っすか?何組?この下駄箱」
『あぁ、うん。運天穂波。2年3組。よろしくね。遅刻同盟』
「ちこくどうめい?」
『…あぁ、ごめん。わたし遅刻しがちなの』
「へー!運天さんって呼んだほうがいい? 名前で呼びたい」
『…ん?あ、いいよ全然。呼び易いように呼んで』
「じゃあ、穂波!…もいいけど、最初は穂波ちゃんでいこう!」
『あぁ、うん。笑 最初は?』
「せっかく日本だから!」
…まぁ確かに。
大体の国では出会ってすぐでも穂波〜だよね、うん。
『リエーフくんはどこの国の人?』
「ロシアと日本のハーフっス!」
『ロシアだぁ… 友達はいるけど英語で話してたから言葉わかんないなぁ
シェスィエ?だけ知ってる。 合ってる?』
「あー、俺ロシア語わかんないだ。なんて意味?」
『そっか、じゃあ、聞いてきて?お父さん?お母さん?にシェスィエってロシア語あるー?って』
「…オッケー!母さんに聞いてみる! …髪、濡れてるの?」
『…あぁ、朝、海に行ってきて… って!こんなゆっくりしてる場合じゃあ………』
「運天ーーー!」
うひゃぁ〜 高木先生の声がする