第15章 さくら
『研磨くん、ゲームセンター行く?』
「…え、 …あ、いや……」
『………』
「…ちょっとだけ、良い?」
『うん、ちょっとと言わず、入ろう』
研磨くんのゲーム好きは、
ゲームセンターのゲームにまで及ぶのか。
まだまだ知らないことがたくさんあるなぁ。
明るい光と賑やかな音に目が回りそうだけど
研磨くんが今のところ手を繋いでくれてる。
…今のところ
研磨くんのお目当ては一階にはないようで
スルーして二階に上がった。
『へー、ゲームセンターにもマリオカートあるんだ』
「…ん。やりたい?」
『ううん、研磨くんがしてるとこみたい』
「…ん」
・
・
・
研磨くんは格闘ゲームというのかな、
なんか戦うやつを指を早く動かしてやってる。
もはやよくわからないけど
夢中な様子はわかる。
すげーとかいって、ちょこちょこと人が見ていくけど
研磨くんは集中してて気にしてないっぽい
もう結構時間が経ったけど、
研磨くんの集中はきれない。
ゲームセンターって、
なかなか他のことを見つけづらい場所だなぁ
じゃあ、本でも読んでよう、とかにはならないというか…
することなくてふらふら見て回ろうとしたけど賑やかすぎて目が回って、
研磨くんの座ってる椅子の後ろから研磨くんの顔を見てみたり、
携帯で普段忘れがちな研磨くんの写真を撮ったりしてみた。
…わたしがいること忘れてないかな。笑
もうどのくらい時間が過ぎたかなぁ