第15章 さくら
「ブハッ …やっぱ研磨と穂波じゃん」
声が聞こえて振り向くと周平がいた
「…あ、周平」
『…ムシャムシャムシャ………』
周平「この人達、並んでりんご齧ってんなーって思ったら… 笑」
研磨「スケボー?」
周平「んー、スケボーとかレコ屋行ったり」
研磨「れこや」
周平「レコード屋」
研磨「あぁ」
周平「りんごうまい? 俺も食いたい」
『もうないや、2つしか買わなかった。 周平も今日休みなんだね』
周平「ちぇ、ないのか …いや、休みなわけではないんだけど」
『…またサボってるのか』
周平「サボりってわけでもなくて」
『ふーん、まぁいいけどさ』
研磨「周平、お腹空いてんの」
周平「…? そんな空いてねーけど、りんごうまそーだなーって思っただけ」
研磨「これ食べる?」
さっき穂波がりんご買ったときに、
ドライフルーツっての、買ってみた。
これはりんご。
周平「お。食う食う。サンキュ。 …なにお前ら食の好みも一緒なわけ」
『なにー?』
周平「ほらこれとか、穂波の鞄によく入ってるような感じ。研磨がくれた」
『わ、美味しそうじゃん。よかったね』
研磨「さっき、穂波が入った店で買ったからじゃない」
周平「ふーん」
穂波の作るものは何でもすきだけど、
別に食の好みが一緒ってわけじゃないと思う。
…でもあれ? なんかちょっと、似てきてる …のか?
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