第15章 さくら
『…おぉ………』
「…?」
『寝ていた』
「…ふ 笑 …おはよ、穂波」
『…うん』
起き上がってお茶を飲んで
『…あ、研磨くん、上着かけてくれたんだ。 寒くなかった?』
「…うん、平気。 あったかい 笑」
『…? なんで笑ってるの?』
「…なんか枯れ草?いっぱいついてる。 服も髪も」
『…あ。 またやっちゃった』
「…ふ 笑」
脱いだカーディガンから2人で枯れ草をとってく
『どこでも何着てても寝っ転がっちゃうの』
「うん」
『…いっぱいついてるな。 まぁ、もういいや。 手伝ってくれてありがとう』
「…え、もういいの?」
まだ結構ついてるけど
『うん、また後でとる。 …りんご食べよっと。研磨くんも食べる?』
「丸かじり?」
『…うん、農薬不使用って書いてあったから、軽く擦ればいける』
「…軽く擦る。笑」
『…こうやって』
穂波はワンピースでりんごを包んで、軽く、擦った 笑
「あぁ、うん。笑 食べる」
『はい、じゃあ研磨くんも軽く擦ってね』
「…ん。笑」
言われた通り、軽く擦ってかじりつく。
小ぶりだから一つ食べれそう。
「あ、おいし」
『美味しいね』
「なんか、切ったのと違うね」
『ね』
「違わないけど違う」
『パリっじゅわ〜感が違うよねぇ』
「…うん、ぱりっじゅわ〜 笑 …でも、顎、疲れる」
『あはは、言うと思った』
「…なんで顎痛くなるの」
『…ん?』
「切ったリンゴとどう違う」
『………』
「………」
『大きく口を開けるからじゃない?齧るときに』
「あぁ…」
じゃあ小さく齧ってみようとおもうんだけど、
前歯で齧るみたいな感じになってイマイチだった。
『…笑 無理しなくていいからね』
「…ん。無理はしないけど、美味しいから食べる」
2人並んでムシャムシャとりんごを食べる。