第15章 さくら
ー研磨sideー
代々木公園に着いた。
初めて代々木上原に降りて歩いたけど、
古いものと新しいもの、
ハイセンスな感じと大衆的な感じがごちゃまぜだけどまとまってて、落ち着いてて、
クリエイターがいそうな感じというか。
渋谷から歩くよりずっとゆったりしてるし、
たしかにいいとこだなと思った。
公園内を桜もみながらぼちぼちと歩いて、
あまり人のいないとこを選んで芝生に座る
今日は陽が暖かい
風もないし、雲も少ない。
しばらく2人ともぼーっとしてから、
穂波はこてんと寝転んで本を読み始める
おれは座ったままでゲーム
穂波はベージュの長い丈のワンピースに、
同系色の長めのカーディガンを羽織ってて、
今日もかわいい。 かわいいんだけど、
ニットで芝生に寝転がったらなんかいろいろつきそう。
ま、いっか。今更だし。
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しばらくそうやって過ごしてふと穂波をみると、
うつ伏せで、本を開いたまま寝てる。
上着を脱いで、
お尻らへんにかけといた。
カーディガンが届かないあたり。
…かわいい。
顔にかかってる髪を耳によけて、しばらく眺める。
電車の中で、
おれのイヤホンを2人でつけて、
アキくんの試合を見た。
アキくんは決勝に勝ち進んだ。
穂波はやっぱり興奮しながらも落ち着いてて、
それでもやっぱりおれの服をぎゅっと握っていた。
穂波にバレーの試合を見にきて欲しいとも
来ないでとも思わないけど、
もし見にきたらこんな顔してこんな風にしてるのかなって、
つい想像してしまう。
かわいいだろな…