第15章 さくら
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シャワーを浴びて
お水を飲みにキッチンに行くと
シンクは綺麗になってて
研磨くんはもう着替え終えてソファでゲームをしてる。
『研磨くん、お皿ありがとう』
「…ん」
2階に上がって、出かける準備をささっと済ませる。
『研磨くん、お待たせ。 …いつでもいけます』
「…ん、ちょっと待ってね。これ、倒せそうだから」
『うん、頑張れ〜』
女子準決勝がそろそろ始まるみたい
Jessも残ってる。ベスト4だ。
…地元の海だもの、って言ってたな。
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「穂波ってさ、顔になんか塗ってるの?」
『へっ!?』
いつの間にかゲームを終えてた研磨くんからの
唐突な質問にたじろぐ。
「いろいろ塗るんでしょ、女の人って」
『お風呂上がりとかに?』
「…あぁ、それもだけど出かけるときに」
『…お化粧のこと?』
「うん」
『…塗るって 笑 …あぁ、わたしにそれは聞かないで欲しかった 笑』
高校生にもなると、クラスでお化粧してる子も増えてくるし、
学校ではしてなくても、
休みの日に会うとお化粧をしていて、いつもと違った雰囲気にドキッとさせられる子もいる。
女子のわたしがそうなのだから男の子は尚更ドキッとするだろうなって思う。
そんな中、わたしには化粧っ気が全然ないのだ
お化粧をしてる人をみるのも、
してる手つきをみるのも大好きなのだけど…
「…え、ごめん」
『あ、謝らないで。半分冗談。 わたしは、ほぼ塗っていません』
「でも塗ってるんだ」
『一応ね、紫外線カットのやつは塗ってるよ。
日焼けはしてるけど、日焼け止めってやつ。
…お化粧じゃないし、それによく忘れる』
「へぇ」
『…うぅ』
女子力が低い………
大好きな人とのデートだっていうのに、
自眉の足りないとこを書いてぼかして、
まつ毛を上にあげて透明マスカラを塗って、
カラーリップを指でぽんぽんってしただけ…