第15章 さくら
ー研磨sideー
「穂波、おれの服着てていいよ。部屋着だけど」
部屋着、おれが着てもゆったりしたやつだったから
さっき穂波が裸にだぼっと着ててかわいくて、
それを思い出してつい、そんなことを口走ってた。
『やった、じゃあ着る』
かわいい笑顔でそう言って
ベッドに脱いだままになってるおれの服に
下着もつけずに腕を通した。
…夏にもあったような
下着つけないのって聞いたらどうせシャワー浴びるからって言ってたな
あのときはまだ、穂波の肌にそんな触れたこともなくて
どきまぎしたのは当たり前だけど、
今でもやっぱ、いつ見ても裸は綺麗でどきどきするし、
服の下に下着をつけてないっていうのも、
何度裸をみていても、ぞくぞくする。
こういうのって一体なんなの
不耐性?
穂波はパンの生地を二次発酵させないと、と先に降りて行った
…お腹すいた
服着て、おれも下に降りる