第15章 さくら
・
・
・
二度寝から目を覚ますと
さっきの姿勢のまま穂波は本を読んでた。
「…んー……… あ、穂波起きてる」
穂波は腕から頭を下ろして
身体をこっちに向けた
『…おはよ、研磨くん』
「…ん。 穂波おはよ」
まだ寝ぼけてボヤッとしたまま唇にそっと口付けて
ぎゅっと抱き寄せ、穂波の頭に顔を埋める
穂波はおれの胸元に顔を埋めて
条件反射みたいにすんすん匂いを嗅いでる。
…あー これはあれだ。
あれ。
しあわせってやつ
うー、このまま三度寝いけそ…
すんすんしてた穂波はおれの腰に腕を回して
もっと身体をくっつけてくる
『うーこのままくっついてたいよぅ』
「…ん。いいよ、気の済むまでくっついてて」
おれも、くっついてたい
『…でものどかわいちゃったの、手を離さなきゃ飲めない。 うー』
「…ふ 笑」
『………』
「…戻ってくればいいよ。 …おれも喉渇いた」
『…研磨くんが喉渇いてるなら、それは飲まないとだ』
穂波は一大決心をしたかのように
身体を離して起き上がる
おれも起き上がって水を飲む
「はー 生き返る」
『…ふー』
もう、このまま布団出ちゃう感じになるかな。
…なるよね
…ちょっと残念だけど