第5章 夏
ー研磨sideー
穂波は悲惨なほどマリオカートがヘタクソだった。
おれが小学生の時に初めてやったときでも絶対もっとましだった。
でも何度かやってるうちに、ほんとに少しずつは上手くなっていった。
穂波は終始笑っていて、とても楽しそうだった。
『…あー面白かった!
ねぇ、研磨くん、最近いつも家でやってるゲームは?
研磨くんのやりたいことやってほしいな』
ゲームを片付けてると穂波が言うので
鞄から、最近やってるゲームをを取り出してみせる。
「これしてたら、穂波、楽しくないでしょ」
『ううん、楽しいの。研磨くんがゲームしている時の手先はわたしの大好物。笑
色っぽくって、ほわほわする』
「………」
そんな際どいこと言われると、やりたい事がヤリたい事になっちゃう。
「…ん、じゃそうする。テキトーにしてて。
つまんなくなったら言ってね。やめるから」
『うん!』
おれがゲームをしてる間
穂波はほんとにそっと覗きこんで見ていた。
しばらくすると、伸びをしてストレッチみたいなものを始めた。
「身体、柔らかいんだね。」
『ん?タヒチアン始める前はもっと硬かったんだけど…
柔らかくなってくのが気持ち良くって。
…ねぇ、少し外に出たいな。散歩しない?』
時計をみると15時を過ぎたとこだった。
まだちょっと暑そうだけど…アイスでも買えばいいか…
「…ん。いいよ。散歩行こ」