第15章 さくら
ー穂波sideー
研磨くんはパソコンを開いてゲームを選んでる。
オンラインゲームってやつ?
「…多分こっちのが穂波みてておもしろいから」
小さな声で呟きながら、アイコンをクリックする
『わぁ、綺麗』
映像も音もすごく綺麗。
それに、研磨くんが動かしてるキャラクターがすごく、研磨くんっぽい。
顔バレ?するほどそっくりじゃないんだけど、でもちゃんと研磨くんぽい。
『…これ、研磨くんが自分で選んで作るの? …顔とか』
「あぁ、うん …服とか装備は買ったり集めたり」
『へぇ!すごいね。 こんな風にできるんだ』
「…うん、まぁ。…これはバトルだけじゃなくて森で植物採集したり、
菜園やったり、釣りしたり… 料理もできる」
『…ほぉ…………』
「…何が観たい?」
『…え? …んーと、研磨くんがいましたいことでいいよ』
「…んー」
『…でも料理するより、山とか海とかみたいかも。綺麗だもん』
「…ん」
研磨くんは山で木の子や野草や木の実を採ったりしてた。
それを料理とかにして加工して売ったり、
食べたり、あげたりできるらしい。
こんな世界にいたらどっちが現実かわからなくなりそうなほど
景色は綺麗だし、やることはいっぱいでいそがしそうだな、と思った。
植物採集のほかに、菜園や果樹園の野菜・果樹の手入れ、
海に行って釣りとか…
今日公園で話してたみたいなことををしてみせてくれた。
わたしが、話の中でいやだと言った戦いを
敢えてやらないでいてくれてるんだってこともわかってきた。