第15章 さくら

「クロは ……詐欺師」

『ぇえっ… それはちょっと…』

「…情報屋とか　　……売人。　…商人は、通貨がなくても成り立つのかな。
成り立つならばいに… 商人とか。　なんか人と人をつなげる感じ」

『…あぁ、うん。いいね』

「…ギルドマスターとか」

『…へ？　何それ』






…あ、完全にゲームの世界の話になってた。






「…んーと、仕事斡旋するひと？」

『やっぱり仲介する感じだ。　…うんうん、面倒見良さそうだもんね』

「カズマは？どう思う」

『…カズくんはどうだろう？研磨くんと一緒？　…波を読むのも上手だし
でも私たちもだけど、若いから農作業とかもできるときはやる、みたいな』

「…確かにカズマは賢者もいけそう。　…でもパラディンとかもいい」

『………パラディン？』
（あれ、研磨くんこれゲームの世界に行ってる？）

「騎士」

『…騎士』
（…やっぱりゲームの世界にいってる）

「あ、でも何と戦うんだろ」

『…ふふ、いいよこのままいこう。海さんは？』



「海くんは僧侶」

『…笑　ほんとに考えて言ってる？』

「…半分見た目」

『…でもまぁ、見た目だけじゃないものもあるよね、確かに』

「…獣医師？　…んー、薬草使い　　…違うなぁ、農作業もすごく良さそう。
やっぱ僧侶で、その上植物に関する知識が深いひと。いろんなこと答えてくれる。
ドルイド的な」

『あぁ、聞いてるだけで癒される』

「…うん」

『ドルイドって？』

「森の守護者？　動植物と話せたりする」

『あぁ、弟子入りしたい』

「…ふ　笑」

『まだいい？夜久さんは？』