第15章 さくら
『…研磨くん?』
「…穂波は何するの」
『…へ?』
「もし、そういう状況になったら。何するの」
『わたしは、手となり足となり気持ちを込めて農作業をする。教わりながら。
あとは空いた時間に踊れればいい。 …研磨くんと一緒にいれたらいい』
「…穂波はそれだけじゃだめでしょ」
『…ん? それだけじゃ満たされなそう?』
「…いや、違う。 それだけでも多分穂波は幸せにしてると思う。…可愛いと思う。
…じゃなくて、 …穂波は雨乞いとか、日照りとか、大漁とかを祈りながら踊る。
祈祷?じゃないけど、フラでいいけど、そういうのをする踊り子」
『踊り子! なんかキャラクターの設定みたい。 わーい』
「…でもほんとできそうだよね。 一回海で見たとき、風吹いたし。
ハワイでのビデオも雨止んで虹出てたし」
『あはは、でも別に風吹いてとも雨止んでとも思ってないからなぁ、踊りながら。 どうだろうね 笑
…ねぇ、研磨くんはなんていう設定になるのかな。 賢者? 』
「…賢者。 うん、賢者になれるといいね (ワクワク 」
『研磨くんはやっぱり賢者を選ぶ? …その、そういう状況になったら』
「…んー、賢者と呼ばれるかはわかんないけど、
まぁ、それが多分おれにできることなんじゃないかな」
『だよね、きっと、引く手数多に重宝されるよ。
でも戦争はしないでね。殺し合いの戦いのための策士にはなっちゃダメだよ』
「…ん。わかった」
『空を読んだり、畑を荒らす虫や獣との付き合い方を考えたり、水の上手な運び方を考案したり…』
「…ふ」
『…ん?』
「ううん、なんでもない」
…おむすび屋の話からこんな話に飛躍する。
穂波はおもしろいな。
『…クロさんは?』
「…ん?」
『クロさんは、なんだと思う? 私たちが決めることじゃないけど…』
…まだこの話題続けるんだ。
おもしろいからいいけど