第14章 blooming
試合の合間にギャラリーへのカメラワークで
また穂波が映る。
今度はアキくんと穂波の間に現地の子っぽい女の子がいる。
カメラに気付いて、多分カメラの人とジェスチャーで何かやりとりした後、
サングラスを上にあげて、笑顔で手を振ってきた。
…おれにじゃないけど
クロ「おーい穂波ちゃーん。みてるよ〜♡」
夜久「ほら、やっぱ、カメラマンにも目ぇつけられてんだって」
海「穂波ちゃんの笑顔は魅力的だから。届けたくなるんだろうな」
クロ「サングラス外して、って指示あったっぽいな。笑」
研磨「…あ、これで男子はもう終わりなのか。結果のまとめみたいのでないかな」
「……………」
研磨「…あ、アキくん、勝ってるね。明日もするみたい」
クロ「おー。めでたい」
夜久「ハイライトとかねぇのかな〜」
研磨「…どうだろ。このまま女子が始まるぽいから…」
夜久「やーでも、画面に知ってる子映ってなんかサプライズ気分だな」
クロ「…穂波ちゃんの隣にいた子もかわいかったな」
夜久「紹介してもらいてー けど紹介してもらったとこで会えねー!」
研磨「…多分、選手じゃないあの子も。ウェア着てたし」
夜久「マジか!じゃあこれから出るの?」
研磨「…わかんないけど」
…実況がわかればもうちょっと何してるのかわかるんだけど。
女子の試合が始まって、
そのままみんなで観戦する。
時間によって波の大きさだけじゃなくて
波ができる場所とか頻度とか違って。
波の変化とか、波のかたちとかもあるんだろ。
それを見極めたり…してるんだよね。
これは大会だから時間内に高い点数を取らなきゃいけない。
…そもそも大会じゃなくても、
こうやって自然相手に巻かれたりしながら、
それでも波に向かってくって。
絶対腕とか疲れるし、
ていうか朝早いよね、サーフィンて。
穂波も冬の早朝にも行ってたし。
…楽しいから、好きだから、
穂波風にいうと気持ちいいから、それだけでできるものなのかな。
山本「…根性っスね」