第14章 blooming
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レッスンを終えて下に降りると
カフェの前にもう車が来てて、
研磨くんが乗り込むところだった。
『ツトムくん、研磨くんっ、お待たせ。ありがとう』
「お、おつかれ穂波ちゃん。後ろ乗りなよ」
なにも考えずに助手席に座ろうとしていたら
ツトムくんがそう言ってくれた。
『あ、うん。そうだね!わーい、研磨くんの隣だ』
後ろに回って研磨くんの隣に座る。
「俺のことはお構いなく〜♪じゃ、でるよ〜」
どういう意味かはよくわかんないけど
にやにやとツトムくんがいう。
『はーい、お願いします。 …研磨くん、ゲームしてた?』
「…うん、あと店の人が小さいカレー出してくれた」
『あ、そっか。美味しいよね、あそこのカレー。 …じゃあお腹は空いてないね。よかった』
「美味しかった。 …穂波のカレー食べたい」
『ん? はは、唐突。 うん、今度作るから食べてね』
「うん、食べる」
カレーか、確かにまだ研磨くんに食べてもらったことないなぁ…
彼氏に作る料理の代表みたいなメニューなのに。
いつも和食メインのおばあちゃん系だからなぁ…
「あ、穂波の作る和食好きだよ。クリスマスのとかも。お菓子も。
ただ、穂波の作るカレー食べたことないなって思っただけ」
『へ!? …わたしいま声に出てた?」
「…? …いや、なにも」
『…あ、そっか。よかった』
考えていたことへの返事みたいだったから
1人であたふたとしてしまった