第14章 blooming
空港に到着。
車を降りて、
45ℓのバックパックを背負う。
あとはいつものウエストポーチ。
それからスケボーを入れた段ボールを抱えてる。
「…スーツケースじゃないんだね」
『うん、スーツケースのときもあるけど。…なんかバックパックが好き』
「…へぇ。 …その段ボールはなに」
『スケボーが入ってるの』
「…あぁ」
『台湾に行った時、初めて旅行に持っていってすごいよかった。旅先にスケボーあるの。
だからマストアイテムということになった。笑』
チェックインは車の中でわたしのiPhoneを使って研磨くんがしてくれた。
いつも親と一緒じゃない時はカウンターですればいいやって自分ではやらないけど、
もう既に一つやることが済んでるって、それだけで少し心が軽い。
保湿クリームとかタオルとか機内に持ち込みたいものをまとめた手提げを取り出して
段ボールと一緒にバックパックを預ける。
『研磨くんのこと連れて行きたくなっちゃうよ。空港にいると』
「…おれも付いて行きたくなってる」
『へっ』
予想外の答えに間抜けな声が出る
「…ふ 笑 穂波慣れてるから、なんか簡単なことに見える。このあとは?」
『…ふふ。簡単なことだよ。笑 至れり尽くせり、プロがことを運んでくれる〜
…セキュリティチェックまでは国内線と一緒だよ。そのあと出国審査。あとはゲート近くまで移動してのんびり』
「…そか」
『いつか一緒に行こうね』
「…ん」
『ツトムくん!今日は会話に入ってきてくれないから話そびれちゃう!』
ツトム「おい!忘れるな!笑 …アキとも話してたんだけど研磨がかわいすぎてさぁ」
研磨「 ! 」
ツトム「2人の時間を尊重しようかと思ってしまってたワ。兄貴の気分』
『あはは、ツトムくん送ってくれて本当にありがとう』
ツトム「はーい …俺ともまた飛行機乗ってどこか行こうね♡」
『…笑 うん、撮影とか海外で一緒にできたらいいね。笑』
ツトム「笑 …ほれほれ、行きなはれ」
『あっ あと、ツトムくん、制服取りに行くのお願いします…』
ツトム「オッケ〜」