第14章 blooming
ー穂波sideー
午前、午後。
長い時間お手伝いしたのは初めてで、
邪魔にならないようにとわたわたとしながらも
自分なりにコツや流れを掴みながらなんとか終えることができた。
1年生が入ってきたら、
中学生の頃に経験してるであろうその子たちの
動きを見たり、直接聞いて教わったりして、
もう少しは上手く立ち回れるといいな。
たまにしか手伝わないからこそ、
そのたまにが、少しの余裕からのなにかに繋がってくれたらなと思う。
…おこがましいか
そしてなんと、研磨くんが空港まで見送りに来てくれることになって。
18時半からのレッスンにはまだ時間があったのでカフェで一緒にお茶してる。
好きな人といる時間が予想外に伸びるということ。
嬉しい、嬉しい、うれしい、ウレシイ!
「穂波、なんでそんなににこにこしてるの?」
(…これ前も言った気がする)
『へっ?研磨くんといれるのが嬉しいからだよ』
それしかないじゃんッ
「…ふーん。穂波、マネ代理ばっちりだったね」
『ほんと?少しでも役にたてれば嬉しい。
1年生が入ってきたら、教わることも多そう』
「………」
『………』
「………」
『…変なこと言ったかな』
研磨くんは無言でじーっとこちららを見てる
「ううん。…穂波ってまっすぐだよね」
『真っ直ぐ?』
「…うーん、うん。うまく言えないけど。
肩の力抜けてて、居心地いい。 けど、まっすぐ」
『真っ直ぐ、って聞くと山本くんとか想像しちゃうなぁ』
「…あぁ。虎も真っ直ぐだけど… ちょっと違うやつ」
『ね、すごく真っ直ぐだよね。漢と書いておとこと読む感じ?イメージだけど』
「穂波は、周りは柔らかいのに 芯のとこがまっすぐ でも頑固とも違うような…」
『………』
「ま、いっか」
『…ん。 …なんかうれし』
分析結果を聞いたみたいな感じ。
途中経過的な。
…ふふ、おもしろい。
研磨くんの眼にはわたしはどんな風に写ってるのかな。
これからも背伸びせず、ありのままのわたしをみてもらいたい