第14章 blooming
『…なんかピクニックしてる気分』
にこにことそう呟きながら、甘い方の蓋を開ける。
「…わ。おいしそ」
生クリームと昨日カズマのお父さんが持ってきてくれた苺、
それから薄くあんこも挟まってる。
『…ちょっと欲張ったかな。あんこまで入れてしまった。へへ』
「おいしそ。食べていい?」
『うん、お茶もある。今日水筒コップ付きにした』
そう言って温かいお茶を注いでくれる。
「…うま」
『…ほんと?よかったァ』
「あんこも穂波がつくったの」
『うん、たまに炊いて冷凍するの』
「作り置き、だ」
『…ふふ、必殺技 笑』
「だから、ちょうどいい」
『…ん?』
「穂波の味付けだから、甘さとかこってり具合とかちょうどいい。
おれ穂波の味すき」
『………』
「美味しい」
『…ありがとう。 …なんかさ』
「…ん?」
『これからバレーもシーズンというか、大会とか合宿とかで練習もいそがしくなるんだろうなって』
「………」
『…でも学校が一緒だと、お昼休みにピクニックができるね!』
「………」
『嬉しいなぁ』
「…ん、手、繋ぎながらも食べれるし」
『…ふふ そうだね』
そう言って小さく笑う穂波の口元にクリームがついてる。
「穂波、ここ…」
そっと顔を近づけて、口元のクリームを舐めとって
そのまま唇を重ねる
触れるだけ…
でも柔らかくて気持ちいい