第14章 blooming
「中庭いこっか。 …あったかいし」
もう3年がいないから3月の校舎は広々としてる。
それでも春の陽気に釣られて出る生徒は多いみたいで、
中庭とか二階の渡り廊下とか、結構人がいる。
ベンチは空いてなかったから、
芝生のとこにある木のそばに座ることにした
今まで
穂波が作ってくれた弁当はご飯だったから
パンって新鮮。 …楽しみ
チキンカツサンド、フライドポテト、人参マリネ、
ブロッコリー、パプリカと茹で卵のピクルス、りんごジュース
茹で卵のピクルスだって。
初めて食べる。
『ブロッコリーと食べたら美味しいよ。サンドイッチに追加で挟んでも』
「…へぇ。でもまずはそのまま食べる」
『うん!』
「…あ、おいしい」
さっぱりしてる… ってピクルスだし当たり前か。
いろんなものに合いそう
穂波が言うみたいに、
ブロッコリーと食べたり、
小さくしてサンドイッチと食べたりした。
「何にでも合いそうだね」
『うん、意外といろいろ応用効く。 一緒に組み合わせ探してこうね』
「…ん」
ほんとに穂波は、
おれとこれからも一緒にいるって心から思ってんだな。
こういう、何気ない会話の節々でそれを感じるのは真っ直ぐに嬉しい。
「…甘いのもあるの?」
朝、食事系2種類か、1つは甘いのにするかって聞かれた。
『うん、あるよ。 …食べれそう?』
「うん、食べれる。穂波が作る量も味付けもいつもちょうどいい」
パンの薄さとか、
さっぱりとしっかり味のバランスとか…
『…ほんと?嬉しい。 ありがとう。』
いつもいつもご飯のことを褒めると
顔が綻んでほんっとに可愛い顔をする。
…いつもかわいいけど