第14章 blooming
『あっ もう制服着ちゃった』
「…ん?」
『ううん、なんでもない。 …ナンデモナイ』
「…?」
『研磨くん今日もかっこいいね』
「…………穂波、おれそろそろいくね。若干遅刻」
『うそっ』
「…いや、おれがのんびりしてただけ。
…じゃあ、学校で。 …またね、穂波」
『うん、いってらっしゃい』
玄関まで行って見送る。
研磨くんは肩に手を添えて口付けてくれる。
「…ん、行ってきます。 …今日もかわいいね、穂波」
そう言い捨てて、研磨くんはすたすたと歩いてく。
『…なっ………』
だからわたしが研磨くんに言うのと
研磨くんが言うのは違うのーーーーーー
顔が熱い。
誰も見てないけど、絶対いまプシューってなってる。
研磨くんはずるい
ずるいずるいすきすきすきすき
なにいまのっ
何も手につかなくなりそうだけど、
洗濯もまだ干していないし
お弁当も仕上げなきゃ
昨日、一度気を失ったからか、
今朝もしたからか…
実は少し足腰がへろんとしてる。
レッスンまでに調子戻るといいな…
思い出すとまた、どきどきしちゃう