第14章 blooming
ー穂波sideー
熱いシャワーを2人で浴びて
制服に着替えてエプロンをかける
…研磨くんはいつもご飯食べてから着替えるから
あとで制服下に持って降りとこ
鍋にお湯を沸かして、出汁パックを放り込む。
ぐらぐらしてる間に、
人参と大根を細い細切りに。
ついでに小ネギを多めに小口切りにし、
ナスを厚めに切って、水にさらしておく。
出汁が取れたら人参と大根を入れて火を通す。
大鍋のお湯が沸いたら、
昨日炊いたご飯を蒸籠にいれて温め直して。
こんな時の缶詰。
サバ缶を開けて中身に片栗粉を塗す。
さっき水に晒してアク抜きしたナスも水気を拭いて片栗粉を塗す。
多めの油で茄子の両面をよく焼いて、一度取り出し
鯖もこんがりと両面焼き色をつける。
余分な油を拭き取り、
ナスを戻して、みりん、酒、砂糖、お酢、醤油、で調味して甘酢照り焼きにする
千切りしたきゃべつを水に晒して、
サラダスピナーでぱりっとするまで水気を切る。
ぬか漬けとたくあんを切って、
お皿に盛り付けていく。
あと納豆と、梅干し、海苔。
『研磨くん、もうすぐできるよ』
お味噌汁にお味噌を溶いて
お豆腐を入れながら声をかける
6:10
まぁ、上出来かな。
「うわ、これシャワー浴びてからやったの」
『…ふふ、騙されておる』
「…? いただきます」
作ったのは
卵焼きとサバ缶の照り焼きとお味噌汁だけなのだけど。
「…いや、騙されてない。十分すごい。それに美味しい」
『…ありがとう』
とり繕ったりしない研磨くんの言葉は
いつもまっすぐわたしの心に届く
作ったものを美味しいと言われると
毎度毎度顔が綻んでしまう
…なんてゆっくりしてる場合じゃないのだけど。
限られた朝の時間、研磨くんがご飯を食べてる間くらい
できることならわたしも一緒に座ってたい。