第14章 blooming
3人でアイスの実を食べてたら
カズマのお父さんが迎えに来た。
いつもは穂波が送ってくらしいんだけど、
今日はなんとなく来てみたらしい。
コンビニの袋を持ってて
中にはアイスの実が4袋入ってて、
もう食べちゃったねってみんな笑ってた。
苺も持ってきてくれたみたいで、
穂波が出そうとしたけど、
家にあるから早いうちに2人で食べてと言われてた。
穂波がお茶を用意して、
少しゆっくりしてからカズマは帰って行った
カズマのお父さんはなんの仕事してんだろ…
やんちゃそうなんだけど落ち着きもあってスマートな感じ。
おれらの親よりずっと若いと思う
…また、そのうち聞いてみよっと
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「…カズマ、ちょっと雰囲気変わったかな」
2人が去った後、
ソファに座りながら穂波とゆっくりしてる。
カズマはスポンサーうけるのを決めてから
会うたび雰囲気がアグレッシブになるというか、
もともと持ってた強気なとこが表面に滲みに出てる感じがする。
…いやな感じじゃなくて、かっこいい感じ。
9歳の子にかっこいいとか、なんかおかしいけどカズマは自然とそう思わせるやつだ。
『…ふふ、なんかちょっと吹っ切れたというか、軽くなった感じはあるよね』
「…軽くなった」
『あ、チャラくなったってことじゃなくて。
スケボーを好き、楽しいって認めれたのかなぁとか』
「…あぁ」
『でも、パークとかで知らないスケーターとかに話しかけられても、
全然笑いもしないし、会話すらしないんだよ。
そ。とか ん。とか はぁ。とか、もはや一言ではなくて一文字の返し 笑』
「………」
…他人事とは思えないかも
おれも似たようなもの
『そんなカズくんが研磨くんに会えて、
出会って間もない研磨くんに懐いて 楽しそうにしてる。
ありがたきかな〜』
「…ふっ 笑」
『…ひゃーもうすぐ研磨くんに出会って一年が経とうとしている。
去年の今頃はまだお互いのこと知らなかったのに』
「…おれは」
『………』
「おれはもう、穂波のこと見つけてたよ」
『…ん?』