第14章 blooming
「…でもほんとに、好きって言われたらどうするの」
『うーん、別にどうしようもないというか。
受け取って、ありがとうって言って ってそれくらいしかできないよね』
「ふーん」
『カズくんは? 学校とかで好きって言われる?』
小学3年生ともなれば
女の子はこんなかっこいい男の子を放っておかないだろう
「…んーまぁ、うん。言われるけど」
『ちゃんと応えれる?』
「…一回泣かせちゃってから、ちゃんと言葉にはしてる」
『…へぇ。えらいね。かっこいいね』
「そうかな。 好きな人いるから、しか言わないよ」
『ありがとうは?』
「言わない。 思わないし」
『え!思わないの? 好きって思ってくれてるのに?』
「…興味ないもん」
『…そっか。 そういうこともあるのか』
「でも、興味ない。とは言わないようにしてる。泣かせちゃったから」
『…そりゃね。 そりゃ、泣いちゃうよ』
「…ふーん よくわかんない。 そろそろ研磨帰ってくるかな」
『そうだね、メール入ってるかも』
ご飯の支度をしながら話していたら、
あっという間に時間が過ぎてる。
携帯をみてみると、
ちょっと前にメールがきてて、そろそろ着く頃だった。
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「…ただいま。 …はい、これ」
帰ってきた研磨くんが差し出したのはコンビニの袋。
アイスの実が3袋入ってる。
『わ。お土産だ。 研磨くん、おかえりなさい。お土産ありがとう』
「…ん」
『アイスの実だよ、カズくん。ご飯の後食べよ』
「お。おれアイスの実すき」
『…ふふ。知ってて買ってきてくれたんだよ』
小声でカズくん伝えておく。
『メールみるの遅くなっちゃって、いまお風呂入れてるとこ。先、入るよね?』
「うん、ありがと」
研磨くんはぼさぁっとソファに腰掛ける。
「…すごいいいにおい」
研磨くんが呟く
…ごま油の匂いかな。