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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第14章 blooming






一緒に熱めのシャワーを浴びて
わたしは台所。
研磨くんは、朝、太陽の光が入るテラスのそばの窓辺に座ってゲームしてる。

日向ぼっこする猫みたい。





筍ご飯を蒸籠で温め直したら、
昨日塩麹に漬けておいた鰆を
オーブンシートをしいた蒸籠にたっぷりのネギと一緒に乗せて
ごま油、お酒、醤油をかけて蒸す。

お味噌汁は昨日のがあるし、
菜の花の芥子和えも、ウドの酢味噌和えもまだある。
油揚げを炙ったのに生姜醤油と、
おばあちゃんのたくあんがあれば十分かな。






『研磨くん、もうすぐできるよ』

「…ん」

『そこで食べよっか。あったかいよね、そこ』

「あ、うん。 いいね」






テーブルは小さめだけどワンプレートにすれば2人分は余裕だ。

盛り付けて、テラス横で日向ぼっこしながらのんびり食べる。

なんか、少しだけいつもと違うって、
いつもと全く違うってのより、特別な感じがする。






「…おいしいし、ここ気持ちいい。 …遅刻しそう」

『…ふふ。まだ時間あるから大丈夫だよ。
…ってそんなこと言ってるときが一番危険だったりするよね。笑
お弁当食べたいものある?』

「…卵焼き」

『…ふ。普通のがいい?何か入っててもいい?』

「なにが入るの」

『…桜海老、とか?』

「あ、いいね。たべたい」

『…ん、了解。 他にある?』

「あとは任せる。 …楽しみにしとく」





…楽しみにしとく。かぁ

きゅん







とりあえずお皿はシンクに置いといて、
お茶を飲みながらのんびりする。







「穂波、あれたべたい」

『…ん?』

「あの、丸いやつ。前、部室に持ってきてくれた」

『あぁ、ブリスボール。今ないけど、作って持ってくんでもいい?』

「うん。…でも、おれにほしい」

『…ん?』

「みんなでたべるとすぐなくなる」

『………』

「アキくんみたいに、おれにも作って。非常食」

『…非常食 笑』




お兄ちゃんはわたしの作る保存の効くお菓子をそう呼ぶ。

…にしても、かわいいお願い事だな。




『うん、わかった。研磨くんだけのも用意するね』

「…ん」





研磨くんはぎりぎりまでゆっくりして、
わたしの自転車に乗って駅に向かった。

こうやってお見送りできるのって、ほんとに幸せだ。



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