第14章 blooming
くったりと横たわるわたしの口からは
唾液がつたってるんだけど…
手が縛られてるから拭えないままで
研磨くんの指が頬にかかり、
唾液をそっと拭ってくれる
髪を優しく撫でられる
安心する。心地いい…
「かわいい。 …挿れてもいい?」
ダメ、って意地悪言ったらどうなるんだろう
『………ダメ』
「え。 …ダメ、か」
『………』
「…ん。 わかった」
そう言って髪を撫でながらおでこに口付けてくれる
…え、うそ。うそうそうそ。
意地悪してみたくなって嘘なんかつくんじゃなかなった。
『…研磨くん、ごめん』
「…ん」
『違う、そうじゃなくて、…嘘』
「…ん?」
『ほんとはずっとずっと今もずっと欲しい』
「…? 何が欲しいの?」
…あ、これ、声だけでわかる。
全然、意地悪なやつじゃなくてほんとに素朴に聞いてる。
天然の …言葉攻め
『研磨くんのが、欲しいの。 …挿れて欲しいの』
「…あ、そっか。 …ん。よかった」
『………』
「…ふ 笑 …なんで嘘ついたの?」
声でわかる。
こっちは、意地悪の方だ
『………』
「…ふ 笑」
研磨くんはまたすこし笑ってから
手拭いをほどいてくれる
光が入ってくる
…照明は暗く落としてるから眩しくないけど
研磨くんの身体が、顔が、瞳が、見える。
「すき」
いつもの目で見つめながら、
ただそれだけ とでもいうかのように、
短い言葉を 真っ直ぐに 声に出してくれる
『わたしも 大好き』
「…ん」
まぶたにちゅっとキスを落として
割れ目を研磨くんのでクチュクチュと撫でる
『…あれ? 手は?』
「…ん? そのまま」
『え。』