第14章 blooming
ー穂波sideー
アイスの実の最後の一粒を咥えて
研磨くんに外に出てる半分をかじってもらおうと思い立ったんだけど…
研磨くんに肩を押さえられて、
わたしの口に咥えたままのアイスは
暖かい息がかかってどんどん溶けていく
顎を伝ってぽたぽたと研磨くんのスウェットに垂れていく
…なんで押さえられてるんだろう
研磨くんはいつもの冷静な目で
じーっとこちらを見据えてる
…この目でじっと見つめられると
いつもいつも、ゾクゾクしてきちゃう
だんだんアイスは柔らかくなって、
咥えていられなくなった
向こうへおっこちちゃわないよう、吸い込むように口の中に迎えると
研磨くんの唇が重なり、それから舌がねじ込まれる
溶けたアイスと唾液が混ざる口の中を
2人の舌が絡み合う
飲み込まないようにしてると
口から溢れてくから
唾液もアイスもゴクリと飲み込んだ
ゆっくりと唇を離す
「…ふ 穂波べっちょべちょ」
口元にだらしなく垂れたアイスをとりあえず指で拭おうとすると
手首を掴んで押さえられて
代わりに研磨くんの舌で拭き取られる
「…ん アイスの実全部なくなった」
『…ん』
なにしてるんだろ…
アイスの実食べるだけなのに
こんなことして身体が疼いちゃってる
『…研磨くん、今のはなに?』
「…それはこっちのセリフ」
あぁ、そっか。
わたしから始めたんだった