第14章 blooming
「…あれ、続き観た?SUITSだっけ?」
『ううん、研磨くんとみた分をまた観たけど、
続きは一緒に観たいな、と思ってみてないよ』
「…じゃあみよ」
『うん、お茶持って行こう』
「…おれココア飲みたい」
『…ふふ。ココア作るね』
研磨くんに跨ったままだったから、
膝から降りていろいろ準備する。
保温瓶にあったかいお茶をいれて。
カップとあとドライフルーツを適当に小皿に盛ったのをお盆に乗せて。
あとはココア。
ココアパウダーとお砂糖をすこしのお湯で練ってから
牛乳を入れてあっためる
…研磨くん、ホットチョコレートもすきかな。
こんど作ってみよっと。
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「…あのさ、この間観たのの最後の方でさ、
ハーヴィーがくそったれって言ってやれみたいなの言うでしょ」
ソファに並んで座りながら
リモコンで操作してると研磨くんが言う。
くそったれ、って…笑
『…うん?』
「開発費くらいしかない安い和解金受け取った方がいいのか、みたいなとこで」
『うん』
「あれなんて言ってるの?」
『…え、英語で?』
「うん」
『くそったれって言ってやれって?』
「うん」
『え、スラングだよ、けっこう汚めの。いいよ、知らなくても』
「…なんか使えそうだし教えて」
『使えそうなの?笑 …まぁ汚い表現もスマートな場で使うとかっこいいよね』
「うん」
『もう一回そこ、つけてみる?』
「ううん、いい」
『……。 I think you should tell them to shove it up their ass. だったと思う』
ゆっくりと発音して伝える。
「…最後のとこがくそったれ?」
『…笑 くそったれなんていつ使う気。笑」
「なんて言ってる?」
『くそったれ的な言い回しはは他にもいっぱいあるけど、
shove it up their ass だよ。 相手によってtheirのとこが変わる』
「…ショヴ」
『突く とか 押すとか。シャベルの動きのイメージかな、多分』
「へぇ、直訳すると?」
『しません。 なんでそんなにそこに喰らいつくの 笑』
「えーいつか、どっかでああいうことあるかもしれない」
『…そうか。 …そうなの? …英語で? …まぁいいや、観よ』