第14章 blooming
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筍ごはん、豆腐とわかめの味噌汁、ウドの酢味噌和え、
菜の花のからし和え、あさりの酒蒸し、
天ぷら(わかさぎ、山菜いろいろ)に蒸し野菜。
「ぅわ… すご」
『春の食材にわくわくしちゃって欲張りすぎたかな…』
「…いや、そんなことない」
がっつりしてないし、全然食べれる。
部活終わりの時は、もうちょっとボリュームあったり。
ほんといつもバランスがいい。
初めて穂波のごはん食べたときから胃袋は掴まれっぱなし。
どれもやっぱり美味しかった。
味付けだけじゃなくて、食感とかも。
いつもほんとに美味しい
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…もう、4月になる
穂波は…入試の時に見かけたのを覚えてる。
入学式でクラスが一緒ってわかって思い出して。
だからって、好きとかそういうのは自分には関係なかったことだし…
特別な感情はないつもりだった。
でも穂波と話すようになってまだ日が浅いうちから
やっぱり綺麗、とか思ってる自分がいて
あれ、おれってそんなに前から見てたのかな…って思った。
縁がないと思って気にしないようにしてただけで、
穂波に指触られて話すようになる前から
もしかしたら気になってたのかもな、とか。
今更考えてもわかんないけど。
去年の今頃は、自分がこんな子とこんな風に過ごしてるなんて思いもしなかった。
ゲームして、学校行って、バレーして。
そんな感じだと思ってたし、実際そうだったと思う。
…好きだな。穂波のこと。
まだ一年も経ってないけど、これからもずっとこうやって過ごせたらいいなって思う。
おれってこんな夢見心地じゃないはずなんだけど…