第4章 矢印
「昼は派手にやったな」
「…別に、ただ寝てただけだし。
派手にやったのは高木先生」
「まぁ、そうだけども。
穂波ちゃん、明日の予定は?」
『週末は、海に泊まりで』
「おー、家族とー?」
『家族とか友達とかなんかいろいろ、ごちゃまぜです。
バレー部は、梟谷学園に行くんだっけ?』
「…うん、合同練習」
「夏休み入ってすぐ、梟谷グループでの合同合宿あるんだけど、マネ代理で参加してみない?」
『それ、今日お昼に研磨くんから聞いたのだけど、他に用事があって…』
「合宿期間中ずっと?あ、旅行とか?」
『…そう、親戚のようなひとのお家に、泊まりで。』
「…その大きい鞄、習い事か何か?
ごめん、研磨本当穂波ちゃんの情報くれないのね。
いろいろ聞いちゃって、なんか…』
『あはは、大丈夫大丈夫。わたしもそういうとこあるかも。
金曜日はタヒチアンダンスのレッスンに行くんです」
「へぇ、ダンスねぇ。いつかみせて♡」
「クロ、その言い方気持ち悪い」
『あはは!いつかみてね♡』
話が弾んで楽しかったので部室の前まで一緒に歩いた。
『じゃあ、わたしは行くね。
クロさん、今度クロさんのお話も聞かせてね。
研磨くん、ほんとは明日も明後日も会いたいっ。
けど、お互いやることがあって…この感じも実はすごく好き。
研磨くん、大好き。』
「ごちそうさま〜」
クロさんは手を振って部室に入っていった。
研磨「…うん、おれも。また月曜にね。…これお返し」
チュッ
『…!』
「じゃ、またね、いってらっしゃい」
研磨くんは、部室に入っていった。
………研磨くん、今のは反則です。。。