第14章 blooming
研磨くんの腕がお腹に回ってきて
後ろからぎゅうと抱きつかれる
『お湯、あっためてもっかいはいろ』
「…ん」
湯船の中で研磨くんの脚の間に座る
特にお喋りはせず、
お互いの体を撫でたりしながらぼんやりしてる
・
・
・
「穂波…」
『んー?』
横を向くと研磨くんの唇が重なる
柔らかい唇。
啄むように何度も口付ける。
「…好き」
『…ん。わたしも大好き』
そうしてもう一度、唇を重ねる。
ゆっくりと離すと、唇同士が離れ難そうにする。
去年の今頃はまだ、研磨くんに出会ってなかったな…
そして入学式で見かけた時から、
気になって。
気がつくと目で追ってた。
話すきっかけはハプニングのようなコメディのようなものだったけど…
こうして関係を築けて、こんな風にくっついていられる。
幸せだな。
ずっと、ずっと一緒に居れるといいな。
「…穂波、お腹すいた」
『…ふ。そうだね。 上がろっか』
「…ん。…筍ごはん」