第14章 blooming
「…穂波〜」
『ん?どうしたー?』
「…今日手伝う」
『お。ありがとう。今はね、特にないからお風呂あがったら一緒に作ろ』
「…ん」
沸騰する前に昆布を取り出すと、
お風呂が沸きましたと音楽がなる。
「…はいる?」
『お出汁だけとっちゃおっかな』
「…ん」
『研磨くんする?』
「うん」
昆布出汁を強火にかけて沸騰させる。
『沸いたら火を止めてから、この鰹節を入れてね』
「…ん」
『そしたらまた火にかけて、中火くらいで。沸き出したら弱火に』
「…へぇ」
『この、白いの。アクね、これをはい、お玉で掬っていってくださいな』
「…ふ 笑」
『…何で笑ったの?』
「ううん、何でもない。こんなことしてるんだね」
『出汁とりがうまくできるとそれだけで万々歳だよ
…アクそんな出なかったね。このまま3、4分。弱火で』
「…ん」
『よし、ではこちらへどうぞ』
さらしを被せたザルへと案内する
「…ふ」
『あ、また笑った』
「だって穂波、なんか喋り方いろいろ変えてくるから」
『…あれ、ほんと?』
「え、わざとじゃないの。前もこんな感じだったよ」
『………』
「…レッスン大丈夫?笑」
『…えぇ〜 んーでもきっと大丈夫。動画撮って確認してても気にならないから… 多分』
「…ならいいけど 笑」
『…にやにやしてる〜』
「…してない 笑 お風呂入ろ」
『…ん』
指示出すときに語尾を変えてちゃってるのかな…
なんか、かっこ悪いなぁ〜…
でも確かにちょっと小っ恥ずかしくなってくるんだよな…
知らないうちに、してるのかも
研磨くんは確実ににやにやしてたけど…
なんだかうまくはぐらかされちゃったな
お風呂お風呂〜