第14章 blooming
公園を出て、
着替えをとりに研磨くんの家に寄る。
お母さんもお父さんもいて、
少しお話しをした。
「ねぇ母さん、明日も泊まって、そのまま学校行ってもいい」
『………』
そんなこと一言も言ってなかったからびっくりする。
そして研磨くんのお母さんはいいよ、ちゃんとするなら、と言ってた。
前に言ってた約束ごとのことかな…
・
・
・
『研磨くん、ご飯何食べたい?』
「…んー、なんだろ」
『…食材見て決めればいっか。
スケボー置いてから商店街行こうと思うんだけど、一緒に行く?
家で待っててもいいよ』
「…ん、行く」
荷物を置いて、市場かごを持って商店街へと歩く。
『あさり好き?』
「うん」
『…ガッツリ食べたい?』
「いや、別に」
魚屋にくる前に通った八百屋さんに山菜がいっぱい並んでいて、
天ぷらが食べたくなっていた。
天ぷらと、炊き込みご飯と…
がっつりしなくていいならあさりの酒蒸しとか…
春爛漫だ
『おじちゃん、あさりと鰆にする。あとわかさぎも』
「はいよ〜 なんにするんだい」
『酒蒸しと天ぷらにしようかな。鰆は一晩漬けて明日の朝蒸して食べる。どうかな?』
「いいじゃないの〜 はい、また来てな」
『うん、明日もくるね』
豆腐屋さんで絹豆腐と油揚げを、
八百屋で山菜いろいろと、アスパラ、スナップエンドウ、蕪、菜の花。
それからアク抜きされた筍もあったのでそれも。
春の食材って一際わくわくする。
研磨くんと食べれるなんてわくわくが膨らみすぎちゃう