第14章 blooming
自転車のカゴにスケボーをさして自転車を押して、
穂波がアイスを2つ持って公園まで歩く。
時々口元にアイスがくるから、
そんな感じで食べながら。
初めて来た時みたいにベンチに座って食べる。
小学生たちや孫を連れたおばあさんとかをぼんやりながめながら
どれも、美味しい。
2人で分け合って食べた。
『もう、春だねェ』
「…うん」
『バレー部、1年生はいってきたらいいねェ』
「…うん」
今のままじゃヘトヘトになっても交代できないし…
『火曜のフラのあと、ちょうどいい場所ちょうどいい時間に、ピンとくるヨガの先生のレッスンを見つけたの。
2年になったらってわけじゃないけど、オーストラリアから帰ってきたらってなると、ちょうどそんなタイミングで。
2年になったら通い始めるんだ』
多分穂波も、あんまり高校って括りにはこだわりはない。
だから進級の話とかそういうの特にしてこなかった。
でも、2年になったら進路のこともあるし、そういう話も増えてくのかな…
穂波はどうしていくんだろうな…
『オーストラリアでもね、ヨガのクラス受ける予定。
わたし、オーストラリア大好きなんだ。すごく独特でパワーのある場所。
ハワイもだけど、オーストラリアも研磨くんと一緒にいけたらいいなぁ』
「…ん。 前さ、ここ初めてきたときはハワイ行く前だったね」
あの時は夏休みはいってすぐの、合宿前だった。
「…穂波は、高校の後のこととか考えてるの」
考えてるだろうけど、うまい聞き方がわかんない
『まだ漠然としてるけど、常に考えながらイメージしながいるかなぁ。…研磨くんは?』
「…おれも、そんな感じ」
『…これからこういう話も多くなるかな。いろんなこと話そうね』
「うん。 …大学は行く?」
『…多分行く』
「…日本?」
『…うーん、まだわからないんだなぁ。まだ、わかんない』
「…ん」
『ちゃんと、話すよ。でも今はまだ、わからないだけ』
「ん。」