第13章 16
ー研磨sideー
目が覚めると穂波はもう隣にいなくて。
…まぁいつものことだけど
部活とか、学校がなかったら
朝も一緒にだらだらできるよね。
一緒に朝、だらだらしたいな…
部屋をでると、すごいいい匂いがする。
何か美味しいものが焼ける匂い。
…りんごのスコーン。
昨日言ってた、それかな。
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『あ、研磨くんおはよう』
顔を洗ってダイニングに行くと穂波の笑顔。
あー、いいなこれ。
「…おはよう。 いい匂い」
『うん、もう直ぐ焼けるよ。スコーン焼き立てが美味しい。焼けたら食べれそうかな?』
「うん。食べる」
『 …はい、お茶どうぞ』
「ん、ありがと」
お茶を受け取って椅子にすわる。
「あれ、心さん達は?」
『早朝からサーフィン行ってるよ。撮影の仕事もあって。今日はツトムくんもアシスタント入るって』
「…あ、そうなんだ」
『スコーン焼けた〜』
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ほかほか湯気のあがるスコーン、
ポテトサラダ、ベーコンエッグ、昨日のほうれん草のスープ。
キウイののったヨーグルト。
蜂蜜とサワークリームが机に出てる。
…おいしそ。
「スコーン、全部中身一緒?」
丸いのと三角のがある。
『三角のがリンゴとレーズンで甘いので、丸いのがりんごとくるみとチーズでしょっぱめのやつ』
「…へぇ。美味しそう。いただきます」
『はい、どうぞ』
…いちいちそんなかわいい顔で笑わなくてもいいのに
「…スコーン、美味しい。もっともそもそするかと思ってた」
『あぁ、そういうのもあるよね。牛乳とかと食べると美味しいやつ』
「…今日はスケボー?」
『うん、カズくんと行ってくるね。研磨くんは1日バレーだ』
「うん」
『ねぇ、研磨くん。朝まで一緒に過ごしてくれてありがとう』
「…ん」
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穂波の作った弁当をもって部活に行く。
誕生日、よかったな。楽しかった。
家もいいし、
穂波となら他にもいろいろ出かけてみたいな、と思う。