第13章 16
『洗濯物お風呂に干すから、先にお風呂入らないとダ』
戻ってきた穂波に言われて2人でさっとお風呂に入る。
俺が先に上がってアキくんの服を借りて着る。
…ぶかぶか
2階でゲームしてると
お茶をお盆に乗せて穂波は上がってきた。
『アグリーベティにしようかな。みたことないよね?』
「うん、知らない」
『アメリカのドラマ。わたしもみたことないんだけど、おもしろいかな。
…それかSUITSか。みたことある?』
「や、知らない」
『ラブコメディか弁護士のリーガルドラマか』
「…穂波は、どっち?」
『研磨くんが軽いのじゃなくていいなら、SUITSがいい。
でもどっちもみたことないしみたいやつ』
「じゃ、弁護士の方」
『ん。…ぼのぼのはまたみようね』
「…ん」
なんかおれがぼのぼの観たいみたいになってるけど…
床に座っておれの脚の間に穂波がすっぽり収まる
肩から毛布をかけてドラマをつける
…ドラマとか観ないから新鮮。
「…ちょっと、穂波」
冒頭、少ししてからセリフがはじまったんだけど
「何言ってるかわかんない」
『へ?』
「字幕変えてもらっていい?」
いつもの設定のままだったんだろ、
英語のセリフに英語の字幕が流れてきておれにはさっぱり。
『あ、ごめん。変えるね』
「いつもああやってみてるの?」
『…うん、そうだね。うん、そうだよ』
(…なんで2回言ったんだろ)
『セリフのとこ巻き戻すね』
「…ん」
・
・
・
『…どうだった?』
「ん。おもしろいね。こういうの初めてみた」
テンポ良く進んでいくのも
スマートな会話も面白いと思った
全体的な作りもスタイリッシュだ
『研磨くん、あまりドラマとかみなそうだもんね。付き合ってくれてありがと』
「…え、続きみようよ。泊まってくんだし」
『…やった。もう一つみたら、洗濯干す』
ダラダラしてる感じが心地いい
時々、穂波の首元を指で触っちゃう。
ネックレスがついてる。
なんか、うれし。