第13章 16
『今から洗濯してさ、浴室乾燥かけたら乾くかな?』
「え、すごい現実的な提案だね」
『ふふ。 必死すぎるかな? もっとクールにいた方がいい?』
「…笑 いやそういうの別にないけど。 穂波のままでいて」
『もし乾いてなかったら、コインランドリーに行く。駅前に24時間のあるよね』
「…笑 すごい必死だね」
『うん、あの手この手で誘い込むよ』
「じゃあ、あと一つ。なんか決め手になるやつ」
『…一緒に寝よ』
「…残るなら当たり前だからダメ」
『一緒に寝るとあったかいよ?』
「うん、知ってる」
『研磨くんの髪、乾かす』
「いいね、いいけど… もう少し」
『…お色気は?』
「…笑 やってみて?」
『………やだ、はずかしい』
「…ふ 笑」
『あ、ぼのぼの観よ』
「…うん、いいけど。…え、もう諦めたの?」
『明日のお弁当作らせて?』
「…あー、それだいぶいい」
『明日の朝ごはんにりんごのスコーン焼く』
「わ。食べたい。 …でもなんかそれで泊まってくっていうのもやだね」
『…ん?』
「なんもなくても泊まってく。別に明日の朝ごはんスコーンじゃなくても。
髪の毛乾かしてもらわなくても。お色気なくても」
『…ふふ。 やったぁ じゃあ洗濯回してくるね』
「…ん」
…なに今の。
かわいいかった
母さんに連絡入れなきゃ