第13章 16
ー穂波sideー
プレゼントってなんだろ、
絶対あげなきゃいけないものではないと思ってて
自分がそうだから特に期待とかがない。
プレゼントやお土産を選ぶのは大好きだけど
大好きだから、かもしれない
この中からとりあえず、みたいな感じでは選びたくないし
それは自分の買い物をする時も一緒
2階で研磨くんと一枚の毛布をかけながらくっつきながら、
海外ドラマかアニメでも観ようって思ってた。
「穂波、これ。 誕生日おめでとう」
研磨くんがふいに紙袋を手にしてそんなことを言う。
どう言うことだろう?って少し考えて、
お礼を伝えて受け取った。
………嬉しすぎる
油断したらまた涙をぼろぼろ流しちゃいそうだから
深呼吸をして気を引き締める。
紙袋の中には綺麗にラッピングされた小箱が入ってる。
深い紺色のワックスペーパーで包まれていて、
綿素材の深い赤色をしたリボン、ユーカリ、
それからお店のカード。
………朔さんのところだ
なんで?なんで研磨くんが朔さんのアトリエに行ったんだろう。
お父さん達とお出かけ?
気になるけど、ちゃんと話をしたらきっと泣いちゃうから
今はまだ聞かない。
大事に包みを開けて、
蓋を開くと
ずっとほしいなって思ってたゴールドの線の細いネックレス。
出会ったときに買うのも大事だけど、
これは定番のものだから今すぐ!って言うわけじゃなかったし、
欲しいって思ったのも、朔さんのアトリエができて行った中1のときだったから
今よりもっと、お金を好きに使える立場じゃなかったし…
そもそもそんなに安いものじゃない。
身体に身に付けるもの、
これはシンプルなもので基本ずっとつけときたいイメージのもので…
買えるお小遣いが貯まっても、
今だ!って思わなくってまだ、手にしてなかった。
なんというか、タイミングを待ってた。
そんなものが、
今、掌の中の箱に、綺麗に横たわってる