第12章 smh
ー黒尾sideー
元カノとのこと思い出してイライラしてるとか…
研磨達のこと気がかりんなったりして…
だせぇ
いつも何かしらあると穂波ちゃんにヘルプ要請出してたけど
もうやめとくかなって思ってた。
木兎だけじゃねーし。
結構な人数の男が集まるから
木兎はまぁ、木兎だけど
どっちかってっと赤葦とか、きっかけがあれば仲良くなりそうでやだ。
…って俺が気にかけることじゃねぇけど
まぁ音駒男バレの彼女的な位置でもあるし。
『もし春からもマネージャーがいないようだったらなんだけど、声かけてもらえると嬉しいナって。
いつも断ってばかりの身で言うのもなんなんだけど…』
昼休み、職員室の前で偶然穂波ちゃんに会って
木兎のことを聞こうと思った。
とりあえず、梟谷の名前をだしてみたんだけど
穂波ちゃんにとって梟谷=木兎ではないみたいで、
話を振っても手伝いのこととかを答えてくる。
木兎のこと単刀直入に聞いてもけろっとしてるし、
てか穂波ちゃんも木兎も嘘つかないって心底思ってんだけど、
もうこっちの私情でイライラが止まんない
『…ハグしてもいい?』
そんな俺を見兼ねてか、穂波ちゃんがそんなことを。
「………は? だめ」
ここは欧米諸国じゃねぇんだよ
『…うん、無理にはしないけど』
だよな。
下心も浮ついた心も邪心もなんもねぇもんな…
大体ハグってなんだよ…
試合んときとか、
あと部活関係なく男同士で抱擁っつーの?
激励みたいな感じですることはあるけど…
なんでこのタイミングでしようとするわけ
『春になって一年せ…』
「…やっぱして」
『ん?』
「ハグ」
他の話をしようとしてるのを遮って
気がついたらそう言葉がでてた