第4章 矢印
久々の部活はちょっと疲れたけど、
始めてみれば勝手に身体がどんどん動く。
3年が抜けて、1、2年での本格的な練習が始まって、
結構、良い感じかもしれない。
…ちょっとだけ、楽しいかも。
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練習と片付けが終わって、部室に戻るときにクロに捕まった。
「研磨〜、今日遅刻〜」
「…クロが、来なかったから」
「…時計をみて動きなさいよ」
「………ん」
着替えて、部室の外に出てゲームをしながらみんなを待つ。
とりあえずみんなで歩き出して、
途中コンビニに寄った。
おれは外のベンチで待つ。
クロがアイスの包みを開けながら出て来た。
「…感触どうよ?」
「…ん。…悪くはなさそう」
「俺らの使い方を攻略してくれよ、な。」
「…ん。」
みんなそれぞれ買ってきて、ベンチに座って食べてる。
「そうだ、クロ…夏休みの部活の予定聞かせて」
「…夏休み入って最初の木曜から一週間、森然高校で梟谷グループの合同合宿から始まって………」
「…ん、おっけ」
「………」
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「………で、チューはどうだった?」
電車でクロに聞かれた。
「……………みてたの?」
「呼びに行ったら、まぁ。最中」
「…別に。…どうって聞かれても」
「………今週末、梟谷グループでの合同練習。声かけてみれば?
合同合宿も、マネ代理として参加は可能だと思うけどね〜」
「…ん。」
合同練習はひたすらワンセットゲームをぐるぐるやる。
観に来て楽しめるのかな。
「………今まで、ていうか今も、人付き合いは苦手。目立つのもいやだ。
なのに穂波さんといると安心する。」
「………話すようになって一ヶ月くらい?とんとん、といくときはいくんだな」
「もっと、相手のことを知ってから手を握ったりキスとかするんだって勝手に思ってた。
でも、触れることから知れることも、いっぱいあるんだね」
「………だな。」
「……クロ、おれ、彼女できたよ」
「…おぉ」
(…なんかすげーー感動すんだけど、これなに)