第12章 smh
「あ、でも。穂波ちゃん。
力じゃ勝てねぇんだから、前も言ったけど気を付けろよ。
この世界には俺みたいに理性と知性の備わったイイ男ばかりじゃないからな」
『…うん。人はみてやってるつもり…』
「それな、言ってることはわかんだけど でもやっぱあてになんないとおもう 笑」
『………』
「その天真爛漫なとこすげー魅力的だけど、
人っつーか、場所も気にしろ。
ここはいいよ。人多いし …つーかここは逆に… まずいか?」
周りを見渡して思い出した。
ここは職員室の前。
中庭からも廊下のいろんなとこからも、たくさんの人からの視線がこちらに向いてる
『…クロさん、ありがとう。気をつけるね。
わたし、研磨くんのとこ行ってくる。』
「…おー 俺も行く?」
『…いや、クロさんはクロさんでかな。 …んーやっぱ2人でかな?』
「…とりあえずお先にどうぞ」
『うん、行ってくる!』
走り出しクロさんの横を通り過ぎる …はずが、
手首をぐいっと引っ張られてなぜかクロさんの腕の中
『クロさん? 今はごめん。研磨くんのとこいきたい』
「…やべぇ いかせたくねぇ……」
クロさんは軽く右膝を曲げ腰も屈めて、
わたしの耳元で囁くように言う
『クロさーん 血迷わないでー!』
「俺は至って冷静です」
『………』
「…はぁー」
『………』
「やわらけーし、あったけぇ………」
『………』
腰に回った手に力がこもり
いろんなとこがさらにくっつく
「…まじで俺のものになればいいのに」
『………』
「…なぁ」
…………
「………なーんつって …初回限定、オプションのサービスでしたぁ 笑」
身体が解放される
『………ごめんね、置いていって』
「…いや、それ以上言わないで」
『…じゃあ、またあとでね!クロさん、大丈夫だよ」
掃除の鐘が鳴る中、研磨くんの元へと走る