第11章 暁
「研磨ー、着いたぞー」
「…ん」
寝てる間に山の中に来てる。
こんなとこでアトリエやって、人来るのかな。
「辺鄙なとこにあるけど、結構人が来るらしいよ
海も近いし、波もいいからサーファーも多いし、移住者も増えてる。
移住者が増えるとその友達が遊びに来たりして、まぁ出入りはあるよね。
街のセレクトショップに卸したりもしてるみたいだけど」
…なるほど。
っておれ、何も言ってないのに
気になったことの答えが来た
「…目、覚めた?」
アキくんにもらった水筒で水を飲む。
「…ん。覚めた」
「あ、ここ裏の山から湧き水出てるからあとで汲ませてもらおうな」
………湧き水(ワクワク
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アトリエの中は
ピンとした空気が流れてる
けど居心地は悪くない
アクセサリーが一つ一つ丁寧に置かれていて、
雑多な感じはひとつもない。
そりゃ、そうだよな。
作ってるんだもんな。
今までネックレスなんて気にしたことなかったけど、
素材とか太さとかほんといろんなのがある。
考えてたのは、細いチェーンみたいなの。
それだけでも、穂波の首にあったらすごく、綺麗だと思う。
アキくんが言ってた24金てのはやっぱり値が張る。
いまのおれには無理だな…
金がいいなと思ってたけど
ちょっとピンクがかった金もあって、
それも穂波に似合いそう、とおもう。
こんなに見ていて楽しいものだとは思ってなかった。
…アイテムっぽいし
綺麗な白い石が金の枠で包まれているのが、すごく綺麗。
見る向きを変えると光り方が違う。
オーロラとか虹が入ってるみたい。
…穂波似合いそうだな
今は無理だけど、いつかこんなの………
住居になってる建物とアトリエが繋がってるようで、
アトリエの奥から店主?らしき男の人がでてきた
「レインボームーンストーン」
…穏やかな声だなぁ
「その、石の名前。女性に贈るのにいい石だよ」