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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第11章 暁





「どーしーたのー?穂波ちゃん。にこにこと静かに微笑んで」

『えっ?今私笑ってた? わくわくすること考えてた』

「いーねー! ねぇ、穂波ちゃん。研磨クンと別れたらすぐ俺のとこに来てね」

『へ?何言ってるの。わたし研磨くんとお別れしないよ』

「えぇーーーーーそっちーーー?おれ軽く告白したのにぃ?」

『…だって、前置きがまずおかしいんだもん』

「じゃあなんて言えばいいのー?」

『うーん、分かんないけど…』





「まぁいいわ。今は付け入る隙ないのはよぉく分かった。
でもだからと言って!諦める理由にはならない!
俺は穂波ちゃんのことが好きだ!」






お店のどこかから ひゅーーーー! いいぞいいぞーーー!! って歓声が聞こえる。
…そっか、うっかりしてたけど光太郎くんの声はお店に響く大きさなんだ。





「へいへいへーーーーい!」





光太郎くんは立ち上がって腕を掲げ
さらに大きな声でそう叫んだ。





さすがに店員さんから注意が入ってもいいとこだと思うんけど
拍手と喝采で店内はどよめく。

ほんと、なんなんだろう、この人のパワーは。

すごいな、すごいすごい。






「あ、食べ終わった? じゃ、行こっか」






光太郎くんはけろっとそう言って、レジに向かって歩き出す。





スター選手が試合後退場するかの如く視線を浴びて、
キラキラとしたオーラを放ってお店をでる。





光太郎くんはスターだね。
そう呟きそうになったけど、なんとなく。
なんとなぁく、やめておいた。





「なんか、買い物あるんでしょ?その分もだーっつって渡されたけど」

『あぁ、そう。そうなんだけど、ここじゃなくていいよ』

「じゃー、ここ出て駅に向かうか〜」

『光太郎くんは?用事はもうない?』

「ふらっときて、恋に落ちて、告白して、振られて、それでも俺は世界に背中を押されている!」

『………』

「用事はもうないよ。帰る?」

『うん、光太郎くんといるのは楽しいけど、研磨くんに会いたくなっちゃった』

「うーん、素直でいい子」




光太郎くんはわたしの頭をわしわしと撫でた。




駅に向かって歩く。






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