第11章 暁
木兎「いいっすよ!穂波ちゃんが嫌じゃなければ」
アキ「マジ? 握手した時にこいつなら大丈夫って思って閃いたんだよ〜
光太郎の家どこ?なに駅?」
木兎「♢♢駅」
アキ「…じゃあ、ちょうどこっから2人とも乗り換えになる♦︎♦︎駅まで頼むワ。
そっからなら一本だし穂波も帰れるだろ」
『…ちょっと、わたしもう大丈夫だって』
木兎「俺も暇してたし、穂波ちゃんが嫌じゃないなら俺は嬉しいけど』
また急にトーンを変えて、
落ち着いた調子で真っ直ぐに言う。
『嫌なんてことはないけど…』
アキ「ごめんな、穂波。なんか、買って帰るし。夜お茶でも飲みながらゆっくりしよ?」
『…それも、いいんだけど』
九州から帰ってきてもまだ少し日本にいるし…
『…あーけどけど言ってていやになっちゃう。
うん!じゃあ光太郎くんのお言葉に甘えて、お願いします。』
ぺこりと頭を下げる。
アキ「…ん。穂波らしい。かわいい。よしよし!」
お兄ちゃんが小さい子にするみたいに頭を撫でてくる
アキ「じゃあ、俺行くわ。これ、昼メシといろいろ代。ブリスボールの分も。
光太郎、穂波には研磨がいるから勘違いすんなよ〜
触るのは手だけ。手握るぐらいなら今日のとこは俺が許す。」
木兎「おいっす。 手、握っていいんだ」
お兄ちゃんは颯爽とお店を出て行く。
たぶんお友達と何かすることになったんだろう。
賢さもあるけど、ノリと勢いでいろんな出会いを広げて、チャンスをものにして…
頭に描いたことを形にしてきてるお兄ちゃんだ。
周平とかお兄ちゃんはそういうとこが似てる。
だからこういう予定変更は全然、苦じゃないし、慣れてるし、
謝られる必要もないんだけど…
木兎「じゃ、行こっか。何食べる?昼メシって聞いたら腹減った〜」
なんでこうなった…
わたしまでお兄ちゃんのノリと勢いの出会いに巻かれてるような気分。
光太郎くんはは光太郎くんでものすごい勢いあるし…