第11章 暁
「はっはっはー お安い御用!」
『………笑』
「…でもさ、俺も元気出たよ。
初めて俺と話して普通に喋ってくれる子ってあんまりいないんだよな…
元気が良すぎるのか…キラキラしすぎてるのか…
穂波ちゃんみたいに普通に喋ってくれる子、あまりいないから嬉しい」
…いきなり声のトーンも纏ってる空気も変わって、
真っ直ぐにみてくる目はさっきよりも力強くなっていて
どきっとしてしまった。
人のいろんな面をみるのは楽しい。
恋だの愛だの以前に、
男の子にも女の子にも自然にも人工物にも。
綺麗なものには惹かれるし、
こういうどきっはいつまでも感じてたい。
『…ん。』
ヴッヴッヴッ
『あ、電話。ちょっとでるね』
・
・
・
電話はお兄ちゃんからで、
ここで待ってるように言われた。
「…行かねーのー?」
『うん、迷子になりそうだから待ってろって。すぐ隣のお店なんだけど…笑』
アキ「あ、いた。穂波、お待たせ。 …知り合い?」
『あ、…うん。こうた…』
木兎「梟谷学園バレー部主将木兎光太郎です!」
また、大きな声で姿勢良く自己紹介をしてる。笑
アキ「…笑 …あー、Skypeのときいた顔だ。俺はアキ。よろしく」
差し伸べられた手をお兄ちゃんが握り返す。
背の高い2人。
海外慣れしたお兄ちゃんと
溌剌としてて少し日本人離れしたような雰囲気の光太郎くん。
なんだかここがどこか一瞬わかんなくなった。
『…ははっ 笑 偶然ね、会ったの』
アキ「へー。…光太郎でいい?光太郎は一人できたの?」
木兎「はい」
アキ「あのさ、これから昼メシ食って、帰ろうと思ってたんだけど。俺その後用事できちゃったんだよね。
穂波も連れてこうかと思ってたんだけど、光太郎が良かったら一緒にいてくんない?
こいつ今日なんかここ来てからおかしいの。一人にできない」
『お兄ちゃん、そんないきなり。それにわたしもう結構平気になったよ』
アキ「そりゃ、こんな人があんまこねぇようなコーナーにずっといたからだろ 笑」