第11章 暁
ー穂波sideー
『研磨くん、さっきはごめんね。とばっちり』
数学の授業が終わって一緒にお弁当を食べる
「…いやあれは、高木先生が楽しんでただけだから」
『でもいやだったでしょ』
「…まぁ、嫌だったけど、穂波のせいってわけじゃないし。
きっかけは穂波ではあるけど」
『ごめんね』
「…いや、だから謝らなくていい」
目立つのとか嫌いなのに
それでも怒らないでいてくれてる。
「おれが怒ったとして、それで授業前にサーフィン行かなくなるとかいやだし。
おれ、海に行ってきた日の穂波好きだよ。
だから、もう、いいから。…そもそも怒ってないし」
研磨くんの魔法。
魔法じゃないってお兄ちゃんには言われたけど
『…ん』
「…あと北村さんに結構助けられたかも。なんか、高木先生の気をそらしてくれたというか」
『あ、芽衣。ほんと、そういうの上手だよね。あとでお礼言っとこう』
「…ん」
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