第11章 暁
ー研磨sideー
穂波が目を瞑って、顎を少し上げて、
おれの目の前にいる。
…キスを待ってる?
いつもは大体ふいうちか、
お互いに近づいていくのに…
キスする、って言ったからかな。
…かわいい。
しばらくその姿、表情をみてたら、
ちらっと薄目が空いた
待たせ過ぎたかな…
もう一度目を閉じたから、
肩に手を添えて、そっと口付けた。
なんか、ファーストキスみたいな、感じ。
「………」
『………』
たぶん穂波も、一緒。
よくわかんないけどすごいドキドキした。
初々しい感じがして。
これからお風呂に一緒に入るのに。
「…お風呂、行こっか」
『…うん』
・
・
・
ベストを脱いで、ネクタイに手をかけると
カットソーを脱いで、デニムと上は下着だけの穂波が
じーっとこっちをみてる。
「…?」
不思議に思いながらもネクタイを解いて
シャツのボタンに手をかける
『わたし、脱がせたい…』
そう言いながらおれの手首を掴んで下に下ろす
されるがままに、
ボタンを外されてシャツも下に着ていたインナーも脱がされた。
裸になった上半身に穂波の指が上から下へとつーっと伝う
それから思い切り抱きついてきた
…首筋をすんすんしてる
汗の匂い、嗅いでるのか…
そっと背中に手を回してホックを外す
片手で抱きしめながら、ベルトに手をかけて下も脱ぐ。
ついでに穂波のデニムのボタンを外してジップを下げると、
穂波も裸になった。
「…とりあえず、はいろ。寒い」
『…ん、そうだね』