第11章 暁
『身体、洗うね』
「…え」
『…いや?』
「…いやじゃないけど、なんで」
『…研磨くんのこと、触りたいなぁって』
ほんといつも理由が大体至極単純だな、穂波は…
『髪の毛からでも良い?』
「…ん。穂波寒くないの」
『うん、大丈夫。あ、タオル巻こうかな』
そう言って脱衣所に出て、
タオルを巻いて戻ってくる。
なんか、裸よりも、なんというか…
エッチだな…
あーすでにちょっと身体が反応しちゃってるし
『………。どうしたら良いんだろう。やったことない。わたしは前に行ったほうがいいのかな?』
「…え、知らないけど……… いろいろやってみればいいんじゃない」
…前の彼氏としてたわけじゃないんだなーって、嬉しくなってるし。
鼻とか耳に水入るの普通だったら絶対いやだけど、
なんか、いろいろ試せばって思っちゃった
『うん、じゃあ研磨くんは下向いてね』
「…ん」
『シャワーかけるね。 …熱くない?』
「気持ちいい」
美容室もそうだけど、ほんと髪洗ってもらうのって気持ちいいなー
穂波がしてくれてるから余計にだよね
マッサージするみたいに、ちょうどいい力加減で頭を洗ってくれた。
こめかみとか耳の裏とか…
洗ってもらってる間、目を開けてみると
膝でたってる穂波の、タオルから出た太腿がみえてムラッとしちゃう
『よし、流すね。目、瞑ってね』
・
・
・
『あれ、生え際とか流せてるかな。研磨くん、少し上向いて?』
言われるままに上をむくと
『んー、どうしたらいいんだろう… あ、』
穂波は横に来て、片腕で首を支えるようにして、
もう片方の手で髪を流す
すごい身体が近くって、
胸が当たってる
『よし。いいと思う。
トリートメントは、前向いててもできるかも。
ラクにしててね』
穂波はおれの髪の毛を軽く絞って、
トリートメントをつけてくれた
頭皮がほんの少し引っ張られるような感じで
滑らかに指が髪をすべっていく感覚が
シャンプーとはまた違った感じで気持ちいい…